私的半端メモ

エンタメ鑑賞に私情をめちゃくちゃ持ち込みます

走り続けないと考えられない

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11月の頭に大きめな仕事が終わった。自分のキャパ以上の仕事をすると、納品直前に大体「これ以上やるとダメになる」と感じる瞬間がやってくる。そういう時は1週間休みをとって東京を出ることにしている。リモートワークなので自宅には仕事とプライベートが混ざり合っていている。だから、休みでも家にいると自然と仕事のことを考えてしまう。でも、慣れ親しんだ場所だと考えも堂々巡りになってしまう。今回も限界を感じて納品直後に1週間休みをとった。

仕事の繁忙期と同じ時期、プライベートの人間関係も変化があって、考えたいことが山ほどあった。ゆっくり休んでこれからのことをたくさん考えよう。そう思った。

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休みの間に観た『30までにとうるさくて』がきっかけで、デンマークに「フォルケホイスコーレ」という独自の教育機関があることを知った。成績や試験はなく、それぞれが学びたいことを学ぶ学校らしい。大学入学前に本当に学びたいことは何かを考えるためや、社会人を経て自分がやりたいことを見つめ直すために入る人も多い。つまり、「一度立ち止まって考えてみる」ということだ。

イギリスやアメリカでは、卒業〜入学・入社までの数ヶ月間はギャップイヤーと呼ばれ、自分のやりたいことを見つめ直したり挑戦する期間があると聞いたことがある。

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「時には立ち止まってもいい」

中学の卒業式で校長先生が卒業生の私たちに贈った言葉だ。励みになった。今でも「一回休んでもいいんじゃない?」「人生長いんだから少しくらい立ち止まっても大丈夫」と色んな人が口にするし、SNSや本からも同等の言葉が投げかけられる。

 

この言葉たちに救われてきたのだが、最近気づいた。どうやら自分は「立ち止まって考える」ことができないようだ。脳を休めた状態で考えられないのだ。立ち止まって進む道を決められない。走り続け、苦しい状態が1番脳みそが回転している。走りながら試行錯誤して出した答えが1番しっくりくる。

立ち止まったらもう走り出せなくなるかもという恐怖心があるからなのかもしれい。

 

結局1週間休みでは何も考えられなかった。週明け戻り、脳をフル回転させて仕事をしている時の方が思考の質は良かった。どうやら私は立ち止まれない。

 

30に向けて|『こっち向いてよ向井くん』『30までにとうるさくて』

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波瑠と市原隼人のワンシーンを観て、興味が湧いてNetflixで見た『こっち向いてよ向井くん』。

ビジュアル的に王道恋愛系かと思っていたら、痛い男あるあるを詰め込んだ女性からしたらスカッと系な構成の話だった。…と、1.2話を見たときまでは感じたが、8話〜最終話がこのドラマの真髄だった。

大人になると、一緒にいるために名のある関係性や法律的な制度が求められる。ただ「一緒にいたい」だけなのに、気持ちだけでは立ち行かなくなる瞬間がやってくる。

社会的な定義付けがされないと大人は一緒に居続けられない。そう思い込んでいた。そんなことはない。ただ、相手とたくさん話し合う必要があるかもしれない。

自分と考え方や生き方が違ったときにそれを擦り合わせるのはもう面倒で。だけど、それじゃどんな関係もいつか終わりが来る。

最近、すごく好きな人がいた。色んなところにいったり美味しいものを食べたり、1日の出来事を話したい、ずっと一緒にいたいなと思える人だった。友情でも恋愛感情でもないから想いの伝え方に迷った。「この人とずっと一緒にいたい」と決意してから半年が経ってしまった。一緒にいたいという気持ちは強まっていくばかりなのに、自分の気持ちが言語化できない。

だから、わかりやすい恋人の枠に逃げてしまった。付き合うことが1番わかりやすく一緒にいれる関係だから、無理やり恋愛関係に落とし込んでしまった。その結果(色々あって)大失恋した。

今になって思えば、私たちはもっと話し合うべきだった。このドラマを告白の前に観ていたら…と思ったけど、大失恋をしたからこそ出会えた作品と言葉なんだろうな…。

 

30代って思ってたより全然まだままならなくて楽しいね

 

『30までにとうるさくて』は向井くんの余韻で観た。大人しめのセックス・アンド・ザ・シティみたいだった。

 

気晴らしにならなかった小説|『傲慢と善良』辻村深月

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前から気になっていたが、たまにふと見るYouTuberがおすすめに挙げていて読む決心がついたので買った。

大喧嘩した友人と話をするため、カフェでひたすら待ち続ける時間が控えていたので、そのために気晴らしの小説が欲しかった。

ちなみに『高慢と偏見』もずっと気になっている。

 

辻村深月さんは『盲目的な恋と友情』から入った(当時推していた松井玲奈ちゃんが勧めていて手にとった気がする)。恋愛がベースにありつつも、恋愛を取り巻く友情や親心など様々な人間関係の拗れが描かれている。

何が好きかって、恋愛小説的な認識で読んでいると急に雲行きが怪しくなる、ミステリー的な話展開がたまらない。第一部をどんでん返しで盛り上げ、第二部は同じ時間を別の人視点で見ることができるのも面白い。

読者に取り立てて特徴のない子というイメージをつけながら、後半に向けて段々とその印象に違和感を感じさせる構成が好きだ。

 

自分もたまにマッチングアプリをやるので、主人公たちの心情をある程度理解できたし、その分友人や結婚相談所の方の指摘がめちゃくちゃ刺さった。

 

内容が喧嘩の原因とドンピシャすぎて全然気晴らしにならなかったし、結局友人はカフェに現れなかった。

名をつけられない関係|『煙たい話』

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またもやTwitterのおすすめから良漫画を見つけてしまった。ここまでこの機能に助けられていると、アンチおすすめツイートを名乗る資格がなくなってくる。

煙たい話 - 林史也 | COMIC熱帯|もう一度、読みたくなる

自分が今一番悩んでいた、1人の人間との関係性についてかなりのヒントとなった。

「もしまた会えなくなったら、平気だとしても、つまらんと思う」

これだ〜〜〜

 

とても仲の良いある人がいる。向こうもそれなりの好意と信頼を寄せてくれている。自分が相手のことを恋愛的に好きだったなら、「好き」を言うか言わないかの2択でよかった。

ただ、好きとは違う感情な気がして、しっくりこなくてずっと伝えられなかった。仲の良い友人のままでいたいわけではないし、かといって付き合うというのは違う気がする。でも、ずっと一緒にいたい。

いつか離れてしまうのが不安で、名のある関係性に落ち着きたかったのかもしれない。大人になると、何をするにも理由が必要な気がしてしまう。

でもこの漫画を読んで、ただ一緒にいたいことが全てなんじゃないかと思えた。

少し楽になれた。

 

史上最低な告白|『セットアップ:ウソつきは恋のはじまり』

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最近失恋をした。正確に言うと、告白できなかった。あり得ないほど気持ちが落ち込んだ。自分は音楽も映画も小説も、その時の自分の心情に合ったものを選ぶ傾向にある。最近は『(500)日のサマー』と『ピースオブケイク』を観て、同僚に止められた。

「もっとトイストーリーとか、愉快な作品を観ろ」

そう言われたので、まあまあ微妙な邦題をつけられてしまった哀れなラブコメ映画を観ることにした。Twitterでフォローしていない誰かがお勧めしていたので、『セットアップ:ウソつきは恋のはじまり』を観た。なんで海外のラブコメは微妙な邦題とビジュアルになってしまうんだろう。

 

結末はあらすじを観た時点でわかっていたが、何よりも言い回しがとても好みだった。元の台詞が良いのか、翻訳が良いのかどっちなんだろう。パーティーを抜けてピザを食べるくだりの全てが良かった。台詞も、カメラワークも、雰囲気も全て。特に好きな言い回しをメモしておく。

「初対面なのに一緒に笑うな」

「においが逃げるだろ」

「この箱の中で寝たい」

「変だと思うけど言うよ。ピザとヤリたい」

「わかる」

英語やフランス語の捲し立てるようなテンポの会話が好きだ。ウィットの効いたボケとツッコミの応酬が心地良い。日本語だと難しいのかな。あまりあのテンポ感の会話を観たことがない気がする。それとも他言語への憧れが混じっているのだろうか。

 

ブコメは軽めの恋愛ものでありながら、しっかり教訓を残していく。

「最初の記事が最低なのは当然よ。だから書き直していいものにするの。そうでなきゃいい記事にならない。自分に同情するのはやめて最低な記事を書きなさい」

「これから史上最低の記事を書く」

告白も同じかなあ。真逆の映画を観ると思っていない方向に考えが広がるからいいなと思った。

君と話がしたい|『ビフォア・サンライズ』

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Twitterのおすすめで流れてきたツイートを読んで、観ようと思った映画。Twitterのおすすめ機能、自分が敢えて遮断している情報ばっかり流れてきて本当にいらないなと思っていたけど、こればかりはTwitter社に感謝した。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

ひたすらずっと話をしている。生い立ちだけではなく、政治、宗教、死…。色んな話をする。印象的な言葉があった。

「相手を知れば知るほど、その人が好きになる。どう髪を分けるのか?どのシャツを着るのか?どんな時にどんな話をするのか。全てを知るのが本当の愛よ」

相手を知りたくて会話をする。価値観が合わないところも、合うところも全てを知る。好きな人と話す時間って本当に幸せなんだよな。

 

レコード屋の絶妙に交わらない視線、詩を読んでもらうシーンが好き。