最近失恋をした。正確に言うと、告白できなかった。あり得ないほど気持ちが落ち込んだ。自分は音楽も映画も小説も、その時の自分の心情に合ったものを選ぶ傾向にある。最近は『(500)日のサマー』と『ピースオブケイク』を観て、同僚に止められた。
「もっとトイストーリーとか、愉快な作品を観ろ」
そう言われたので、まあまあ微妙な邦題をつけられてしまった哀れなラブコメ映画を観ることにした。Twitterでフォローしていない誰かがお勧めしていたので、『セットアップ:ウソつきは恋のはじまり』を観た。なんで海外のラブコメは微妙な邦題とビジュアルになってしまうんだろう。
結末はあらすじを観た時点でわかっていたが、何よりも言い回しがとても好みだった。元の台詞が良いのか、翻訳が良いのかどっちなんだろう。パーティーを抜けてピザを食べるくだりの全てが良かった。台詞も、カメラワークも、雰囲気も全て。特に好きな言い回しをメモしておく。
「初対面なのに一緒に笑うな」
「においが逃げるだろ」
「この箱の中で寝たい」
「変だと思うけど言うよ。ピザとヤリたい」
「わかる」
英語やフランス語の捲し立てるようなテンポの会話が好きだ。ウィットの効いたボケとツッコミの応酬が心地良い。日本語だと難しいのかな。あまりあのテンポ感の会話を観たことがない気がする。それとも他言語への憧れが混じっているのだろうか。
ラブコメは軽めの恋愛ものでありながら、しっかり教訓を残していく。
「最初の記事が最低なのは当然よ。だから書き直していいものにするの。そうでなきゃいい記事にならない。自分に同情するのはやめて最低な記事を書きなさい」
「これから史上最低の記事を書く」
告白も同じかなあ。真逆の映画を観ると思っていない方向に考えが広がるからいいなと思った。