私的半端メモ

エンタメ鑑賞に私情をめちゃくちゃ持ち込みます

気晴らしにならなかった小説|『傲慢と善良』辻村深月

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前から気になっていたが、たまにふと見るYouTuberがおすすめに挙げていて読む決心がついたので買った。

大喧嘩した友人と話をするため、カフェでひたすら待ち続ける時間が控えていたので、そのために気晴らしの小説が欲しかった。

ちなみに『高慢と偏見』もずっと気になっている。

 

辻村深月さんは『盲目的な恋と友情』から入った(当時推していた松井玲奈ちゃんが勧めていて手にとった気がする)。恋愛がベースにありつつも、恋愛を取り巻く友情や親心など様々な人間関係の拗れが描かれている。

何が好きかって、恋愛小説的な認識で読んでいると急に雲行きが怪しくなる、ミステリー的な話展開がたまらない。第一部をどんでん返しで盛り上げ、第二部は同じ時間を別の人視点で見ることができるのも面白い。

読者に取り立てて特徴のない子というイメージをつけながら、後半に向けて段々とその印象に違和感を感じさせる構成が好きだ。

 

自分もたまにマッチングアプリをやるので、主人公たちの心情をある程度理解できたし、その分友人や結婚相談所の方の指摘がめちゃくちゃ刺さった。

 

内容が喧嘩の原因とドンピシャすぎて全然気晴らしにならなかったし、結局友人はカフェに現れなかった。